野狐禅～因果の法則③～

因果の法則は

禅語にもある

【野狐禅】

百丈和尚が説法していたとき、

ある日老人は退かず一人残ります。

百丈は不思議に思い

「一体、お前さんは誰か」と声をかけました。

老人はこう言いました

「私は人間ではありません。

大昔この山この寺の住職として住んでいました。

ある時、一人の修行者が私に質問をしたのです。

『修行に修行を重ね大悟徹底した人は

因果律（いんがりつ）の制約を受けるでしょうか、

受けないでしょうか？』。

私は、即座に、

『不落因果――因果の制約を受けない』と答えたのです。

その答えが誤りだった故に

そう答えた途端、

わたしは野狐の身に堕とされ五百生

（五百回の生まれ変わり）して今日に至りました。

私に正しい見解をお示し助けて下さい」

そして、この老人は

自分が問われたものと同じ質問を

百丈に問いかけました。

「禅の修行が良くできた人でも、

因果の法則を免れることはできないのか？」。

百丈は一言

「不眛因果」

（因果の法則をくらますことはできない）と答えました。

その一言で迷いが晴れ、悟った老人は

礼拝して立ち去りました。

野狐の身を脱することができたのです。

この問答のあと、百丈は寺の裏山で

死んだ狐を亡僧法に依って火葬しました。

後代、仏教禅宗では、

真実禅の悟りに至らず、

禅に似て非なる邪禅のことを

「野狐禅（やこぜん）」と言うようになったのです。

子の前後の中で起こった事件は

因果によっておこったものとわかります

この世は因果の法則でできています。

原因があれば必ず結果が現れます。

また結果のあるところには

必ずその原因があるのです。

善因善果、悪因悪果という因果の法則は

誰も免れないものであるのに

修行して悟りを開けば、因果の法則に落ちないのか？

因果を超越することが出来るのか？

という問いに対して、この老人は

修業していれば因果に落ちない

原因結果に縛られない

因果を超越出来ると答えました。

この答えが間違っていたので

その後、五百回も狐に生まれ変わって

ようやく、百丈和尚によって

救われたのです

悟っていないのに

まるで悟っているようにふるまう事

誤った禅の教えを野狐禅と呼ぶのは、こういう事なのです。

仏教では善因善果、悪因悪果という因果応報を説きます。

因果はごまかせませんが

その因果がどういうスパンで巡るのかは、わかりません

今世の行い（因）の結果（果）が

今世中に出るのか？

来世中に出るのか？

それとも、もっと先に出るのか？

それは、分かりませんが

何か一つ

未来の自分や

未来の仲間、家族、友人の為にも

善い行いを積み重ねて

より良い人生を送れるように

したいですね！

今の自分の言動、振る舞いが全て

未来への種になる

また逆に

今の自分の状況が不遇なのであれば

それは、何らかの（前世も含む）自分の行いの結果であるので

そこで腐らずに、善い行いを積み重ねていきましょう