暦は大きく分けると
【太陽暦】【太陰暦】【太陰太陽暦】の3つに分類されます
私たちの生活に直接かかわってくる暦は
【新暦】と【旧暦】です
暦の種類
現在、私たちが使っているカレンダーは
【新暦】と言われる暦法です
世界基準の公式な暦は【太陽暦】です
現在はグレゴリオ暦が使用されています
なんでグレゴリオかというと
ローマ教皇グレゴリウス13世が当時の暦の改良を命じ
作らせた暦法だからです
地球が太陽の周りを1周するのにかかる時間を1年(365日)とします
それに対して、【旧暦】とは
月の満ち欠けと太陽の運行を組み合わせた暦法です
立春に近い新月の日を1年のはじまりの日とします
1年は354日か、355日
明治5年まで日本の国暦として使われていました
新暦は太陽の動き
旧暦は月の動き
そんなイメージです
暦による季節感のズレ
私たちのカレンダーは新暦で進みますが
昔から行われている年中行事は旧暦です
それぞれで、スタートが違うので
春夏秋冬の区切りも変わります
新暦の春 →3月、4月、5月
新暦の夏 →6月、7月、8月
新暦の秋 →9月、10月、11月
新暦の冬 →12月、1月、2月
旧暦の春 →1月、2月、3月
旧暦の夏 →4月、5月、6月
旧暦の秋 →7月、8月、9月
旧暦の冬 →10月、11月、12月
この季節のズレが、ちょっとした
困った現象を引き起こします
例えば、七夕の日に笹飾りを作って
みんなで天の川を見上げると。。。
たいてい、曇っていて
天の川どころか、雨降ってる・・・
毎年、お決まりです
真冬の1月に届く年賀状で「新春」「迎春」と書くのは
旧暦の表現の名残という事です
確かに、真冬に「迎春」って!!と、思いますよね(笑)
旧暦と新暦に隠された意味
新暦で行事をやると季節が合わない!!
じゃあ、新暦でやる必要ないんじゃない?
と思うかもしれませんが・・・
そうではありません(=゚ω゚)ノ
新暦の節句は奇数月ですが
旧暦の暦法でやろうと思うと
新暦の偶数月に当たります
2018年の節句は
新暦 旧暦
人日の節句 1月7日 → 2月22日
上巳の節句 3月3日 → 4月18日
端午の節句 5月5日 → 6月18日
七夕の節句 7月7日 → 8月17日
重陽の節句 9月9日 → 10月17日
今、私たちが生活で使っている暦の新暦では
節句はすべて、奇数月
昔の人たちは偶数月
じゃあ、昔の人たちと同じで
旧暦だけ行事をしたらいいんじゃない?
いやいや、今、私たちが使っている暦が新暦だから
私たちは奇数月だけで行事を行えばいいんじゃない?
だって、季節感が合わないから・・・
どちらかだけやればいいのではないか・・・
実は、どちらかだけをやるという考え方では
片手落ちになってしまうのです
偶数月と奇数月に分かれているという事に
実は深ーーーい意味があるのです
偶数と奇数の役割の違い
数字には奇数と偶数があります
これは、物事の理に「陰と陽」があるのとおなじです
人間は「男」と「女」がいます
(たまに、その中間も・・・)
一日には昼と夜があって
温度にも温と冷があって
物事には表と裏がある
これらを総称して、「陰」と「陽」と言います
「陽」は能動的
男・昼・春夏・温・表・肉体・・・
「陰」は静(受動)的
女・夜・秋冬・冷・裏・心・・・
これらは、どちらか一つだけでは成り立たないもの
表と裏、陰と陽でセットになるもの
数字の場合は、
奇数→陽
偶数→陰
奇数月は現実的に動く
偶数月は心の世界が動く
という関係性になります
年中行事は新暦旧暦どちらも大切にする
基本的に、今のカレンダー(新暦)では
奇数月に節句の行事がありますので
カレンダーに従って、設えや、季節の食べ物を食べるという
行事を楽しみましょう
同時に、旧暦にも
同じように、行事をやるといいと思います
確かに、ひな人形をまた出すのは大変かもしれません
なので、ひな人形をわざわざ出さなくても
自然にある季節のもので設えてみるといいと思います
そもそも、七草がゆの材料になる七草も
取れる季節は2月~4月にかけてのものばかり
1月7日に出回っている七草は、基本ハウス栽培です
ひな祭りの桃の花も
本来の開花の時期は三月下旬から4月の上旬です
今は、栽培方法(ビニルハウスなど)や
物流が、昔に比べてはるかに発達しているため
季節じゃなくても、当たり前に手に入ってしまうのです
だから、新暦のタイミングでも物はそろうのですが
これを、自分で調達しようと思うと、そうはいきません
なので、旧暦の節句では
当たり前の日常の中にある、設えを楽しんでみてください
旧暦のひな祭りの季節に桃園に行くと
とてもきれいに花が咲いています
2月から4月にかけてに河原に行くと
せりやナズナ(ぺんぺん草)が自生しています
旧暦の七夕(8月)なら
たいてい、夜空に満天の星と天の川が見れます
節句行事を旧暦で楽しむことで
日常の中の季節感を感じることができます
自ずと、感性も豊かになっていきます
奇数の節句・偶数の節句
そして、奇数は現実的に
偶数は心の世界が・・・
と、書きましたが
季節感以外で、節句行事の功徳を受け取るために
新暦の節句では、実際に設えをしてみましょう
例えば、人日の節句では・・・
新暦のこの日に、過去の自分から
新しい自分に生まれ変わるための儀式として
「爪を切る」という事をやります
自分で、新しい自分に生まれ変わると宣言した日でもあります
なので、それを一か月間・・・
旧暦の節句が巡ってくるまでに
忘れずに行動し続けてみましょう
生きて入れば誰だって
日常の中でいろんなトラブルや試練が起こると思います
人間関係の悩み
仕事での悩みなど
でも、もう、これまでの自分とは違う
だって、過去の自分から生まれ変わったから!!
そう、自分に思い出させて
行動を変えていくのです
能動的に、自分から形に、姿勢に表していく
そうやって、毎日を送っていくと
旧暦の節句が来る頃(一か月後)には
新暦の、宣言をしたころに比べ
何かしら、心も育って、名実ともに
心身ともに、成長している・・・
(心の(見えない)世界が動いている)
人の成長は、現実的(目に見える世界での)成長と
心の(目に見えない世界での)成長が
どちらも必要不可欠なのです
スキルばかり鍛えても
そこに心の成長が追い付かない・・・
(見た目ばかりで中身がない)
心はとても澄み切って、純粋だけど
現実的に、何もスキルがない・・・
(中身はあるが、見た目がわるい)
これではどちらにしても
周りとうまく融合できません
新暦と旧暦の節句
陰と陽の節句をうまく使って
人間的に成長していくことができるのです
節句の日にお茶でおもてなし
まあ、いろいろ書きましたが
何はともあれ、まずは実践が大切です
大がかりなことはできなくても
お茶を入れて人をおもてなしすることはできますね
新暦の日、ひな人形や、七夕飾りなどを飾って
お茶の時間を楽しく演出してみましょう
旧暦の日は
お茶に桃の花びらを一枚入れてみたり
満天の天の川を眺めながら
菊の花を眺めながら
日常にある、季節の自然のものを取り入れて
お茶でおもてなししてみる
季節感という、その日、その時にしか感じられないもので
誰かをおもてなしする
新旧の暦を合わせると、節句は1月から10月まで毎月あるので
毎月、何らかの季節を感じることができます
ほんの些細な変化に気が付けるようになります
感性が豊かになり、心が安定し
小さなことの中にも大きな幸せを感じられるようになる
そんなお茶の時間を過ごしてほしいと思います♪
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